人材を育てる難しさ

物事って難しいもので、例えばカメラマンになりたいと思い映像プロダクションに入ったとして、
入社一日目からカメラマンとして働けるかと言うとそんな訳ありません。(カメラなんか触らせてもくれません)
しっかりとカメラアシスタントと言う下積みからのお仕事で始まります。
カメラに関係の無いこともさせられます、それの代表的なのがパシリです。
で、この下積みが結構しんどいから10人中9~10人辞めてしまいます。
皆が口を揃えて言います、俺はカメラマンになりたかったんだ!こんな事をしにきたんじゃないんだ!って
いやいや、アシスタントは先輩の仕事を後ろから見て学ぶものです。
そんな下積みなしで何が撮れるんですか?、、、、でも皆去ってゆくんですよね。

では仮に、下積みなしでいきなりカメラマンになったらどうなると思いますか?

判りやすく言えば苦労せずにいきなり売れちゃったタレントみたいになってしまいます。
現場でわがまま言い放題、人のことは何も考えず自己中心。最低の生物の誕生です。

下積みの無い、成り上がりカメラマンの場合は、やはり偉そうで碌でもないです。
言うことだけはベテランカメラマンで腕は三流。三流なのに立ち振る舞いだけは一流。
そんなカメラマンが私の周りにもいるのですがどうしようも無い低スキルでこちら(音声)の足も引っ張ってきます。
機材準備や撤収も先輩にやらせて自分は何もせず帰ってしまうような大御所振る舞い。
結局周りから嫌われています。

カメラマンは音声とは違って現場では一番意見の通る立場です。で、
頭が悪い奴が速攻でカメラマンになってしまうと勘違いして「俺が一番偉いんだ」的な態度になる傾向にあります。
だから入社一日目で音声さんになった想定よりも悪質になる可能性が高いのです。

最近では人手が足りずにカメラマンデビューも意外に早かったりする会社もあったりするので
そんなカメラマンが現在悲しいかな量産化されています。
これってカメラマンになりたい人には嬉しいことだけども私としては
将来的には三流カメラマンになってしまうのでは?と思ってしまいます。

そういった現場を見るとやっぱり下積みって大事なんだなと思うわけです。

私がMAスタジオに入った時もそうでした
始めは大きなミキサー卓の前で音を調整している自分を想像していたのですが
入社したら数ヶ月間ずっと事務所とスタジオの電話番、お茶くみ、お掃除ばかりでした。
機材なんて勝手にいじったら先輩にぶん殴られるわけです。
ミキサー卓の前に座れるのは最低でも6年掛かると言われました。
(入社6年目の人がアシスタントやってるような会社でした)
未だにそんな古い習慣を大切にしている会社があったりするんです。

ずっと機材に触らせてくれず、仕事は先輩の仕事を見て盗めと言われました。だから教えてもらえませんでした。
(それもどうかと思いますが)
機材をいじるには休日、スタジオに何もスケジュールが入っていないとき説明書を見ながら機材の使い方を自分で学びました。何故か休日スタジオに行くとスタジオでCDを聞いて寝ている先輩がいたりして機材がいじれなかったり、、、

そしてあるとき先輩から「素材をDATに落としておいてくれ」って言われるんですね。そこで「あの、、、DATの使い方判りません」ってなると、もうしばらく電話番と掃除だけのために毎日出勤する羽目になるんです。で、できるとこれからDATに関わるお仕事を毎回任され、次はコレ次はコレという具合に仕事が徐々に増えてゆきます。仕事もだんだん楽しくなってゆきます。休日でもないのに機材を触っても許される喜び。この過程を踏むと自然と機材を大切にするようになります。ここが大事なんです。

最初はアホかコイツらと思っていましたが、自分の後輩が勘違い三流カメラマンになってゆく様を目の当たりにして初めて古い古いと馬鹿にしていた習慣が大切なんだと気がついたわけです。

下積みも無い人間に一台何百万のカメラを持たせたらどうなるか?
使い方は荒いし乱暴で落下させたりして壊します。人通りの多いところに普通に機材を置いたりします。
機材を全く大切にしないんです。

怒ったり注意したりすると人って腹を立てますよね?
これは私がMAスタジオから映像プロダクションに転職してからの話ですが
私の場合、腹立たれるのが嫌だったし、そんな古い習慣の会社の真似はしたくなかったので自分と同じ目に遭わせたくないというのもあり後輩にはあまり怒ったり注意しませんでした。その結果どうなったかと言いますと。ある後輩の場合
毎回現場で技術的ミスやトラブルを起こし自分が悪いのに先方の事を悪く言い先輩に同調を求めるような癖が身につき、機材はすぐに壊すわ、挙げ句の果て先輩にため口を聞くようになり、機材の準備や撤収もせず、下手くそで有名なのに勘違いしてフリーになってしまい今は仕事が無くて食ってゆけない。そして誰も助けない。さよなら
こんな結末でした。

厳しい環境で10人中9~10人辞めてしまう業界ですが、それで良いんだと思うんですね。
辞めるべくして辞めるわけですから。そうならないように優しく扱って辞めるハズの10人が残ったとしましょう、
結果碌でもない10人に育ちます。わかっていただけますでしょうか?
厳しくしたらすぐに辞めてしまうような奴をちやほや優しく扱って、
辞めるべき定めにあった人間を強引に残して育ててしまった結果とんでもないアホを作り出してしまったわけです。
最初は辞めずに残って働いている後輩を見て俺のおかげだとほほえましく思っていたのですが、とんだ大間違いだったわけですね。で、当時勤めていたMAスタジオの古い習慣を思い出しました。

古い習慣が未だに残るのには訳があるんだなと。

人を育てるのってやっぱり難しいです。。。

次回はMAスタジオで私がどんな目に会ったか語ってゆきたいと思います。
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